検察・警察のラインを作ろう」統一教会が捜査機関にロビー活動か 音声入手... 統一教会総裁も「請託疑惑事業」に言及…その意味は? (韓国 YTN News)
韓国JTBC News
【単独】「検察・警察のラインを作ろう」統一教会が捜査機関にロビー活動か 音声入手
2025年5月8日 19:47 配信
【アンカー】
JTBCは、2022年の大統領選挙直後にキム・ゴンヒ大統領夫人にダイヤモンドのネックレスを渡そうとしていた当時の統一教会本部長の音声を入手しました。彼は「尹核官(ユンハッカン=尹大統領の核心関係者)」を通じて統一教会に対する捜査情報を得たとし、関連資料の廃棄を指示している内容です。
イ・ジャヨン記者の単独報道です。
【記者】
2022年9月、当時の統一教会世界本部長ユン某氏が執務室で他の幹部と会話しています。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】 「私に情報をくれた人は最高位職なんだ。こんな情報提供が入ってきて、その内容は金額が大きいんだ。」
「最高位職」から受け取ったというのは、捜査の情報でした。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】 「公訴時効があるって言ってた。外為管理法だって話だったよ。私には『家宅捜索があるかもしれない、備えろ』って言ってきた。その後『法律事務所を雇え』って。」
外為管理法違反に関する捜査があるかもしれず、家宅捜索への備えをするよう言われたという内容です。
ユン元本部長は証拠の廃棄を具体的に指示します。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】 「財務や総務の方にはノートパソコンを初期化させろって。資料みたいなものはウェブハード?ハードディスクにバックアップして。紙のものは全部廃棄しろって言った。」
取材班は2023年の録音も入手し、同じ話が再び出てきます。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2023年6月)】 「去年の10月3日に、大手法律事務所を調べたりしてただろ?警察庁に情報提供があったんだって、認知捜査として。」
警察への情報提供があったことを統一教会幹部に知らせたのは「尹核官」だったと語ります。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2023年6月)】 「それを誰が教えてくれたかって?尹核官が私に教えてくれたんだ。母(ハン・ハクチャ総裁)にも報告したよ。」
警察は当時、統一教会が裏金を海外に持ち出す過程で違法行為があったとみて内偵捜査を進めており、ユン元本部長はそれに備えていたとみられます。
【アンカー】
JTBCが入手した当時の統一教会本部長の音声録音には、「ある長老」を通じて警察の高官を紹介されたという発言も含まれています。統一教会の関係者は、この「長老」が「コンジン法師(コ・コンジン)」であると明らかにしました。統一教会がコンジン法師を通じて警察幹部と接触していたのではないかという疑いが浮上しています。
キム・ヨンミン記者の報道です。
【記者】
大統領選直後の2022年、当時の統一教会世界本部長ユン某氏と統一教会幹部の会話には、警察や検察にコネを作るべきだという趣旨の発言が多く含まれています。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】
「法律事務所に多少資金を支援してでも、深くラインを作って関係を築けたらいいんだが。日本には公安や検察とのラインがある。うちにはないじゃないか。」
つまり、日本には統一教会と繋がる検察・警察のラインがあるが、韓国にはないので作るべきだという話です。
ユン氏はその理由についても述べています。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】
「法律事務所が一番確実じゃないかと思うけど、警察庁や検察庁の別件として多少金を渡してでもやってくれたらどうだ。そうすれば、家宅捜索が来るときにでも連絡が入るだろうし。」
さらに、ラインを作るには金が必要だという会話もあります。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】
「法律事務所を通じてラインを一つ作って、そのラインに情報や資金を渡すべきなんだ…」
ユン氏はある「長老」の存在に言及し、大きな案件でなければ話しにくいため、自分たちでラインを作る必要があるとも述べています。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年9月)】
「長老を通じて紹介された人が警察庁長官なんだ。でも、こちらから頼むわけにはいかない。よほど大きな案件ならまだしも。」
この「長老」について、統一教会の関係者は「コンジン法師を指している」と検察に証言しました。
統一教会側は「キム・ゴンヒ夫人への贈り物」として、コンジン法師にダイヤモンドのネックレスとシャネルバッグを渡しており、日頃から「長老」と呼ぶほどコンジンを重要視していたことが分かります。
ソウル南部地検もこの音声を確保し、会話に登場した統一教会の関係者を参考人として呼び調査しました。
【アンカー】
「コンジン法師ゲート」を集中的に取材しているイ・ジャヨン記者と、もう少し話を続けましょう。
イ記者、2022年当時、統一教会側がコンジン法師やいわゆる尹核官を通じてロビー活動をしていた可能性があるという内容を報じましたね?
【イ・ジャヨン記者】
検察がユン前本部長の自宅であるアクロビスタを家宅捜索した際、その捜査対象の一部が公開されたことがあります。
JTBCは以前、統一教会のYTN買収に関する陳情についても単独で報道しました。
ですが、令状に記載された内容以外にも、統一教会は自らの捜査に関連する非常に切迫した事情を抱えていたようです。
本日(8日)お聞きいただいた音声は、2022年9月に録音されたものです。
当時の状況を整理すると、ユン前本部長はこの時期、ある「最高位職」で「尹核官」とされる人物から「捜査に備えろ」との情報を得ます。
捜査情報が漏れていたわけです。
リポートではこの件についての詳細な指示が録音で語られていましたが、その1か月後、進捗を再確認し、催促もしていました。こちらをご覧ください。
【元統一教会世界本部長 ユン某氏(2022年10月)】
「○○○はどう言ってた?そっちにもっと賭け金を増やすから、警察か検察のラインを作ることにしたのか?まず進めろと言って、情報を。我々には一日が急を要する。」
【アンカー】
「一日が急を要する」との発言がありましたが、当時、統一教会側はどのような捜査をそれほど懸念していたのでしょうか?
【イ・ジャヨン記者】
JTBCの取材によると、外国為替取引法違反の容疑で捜査を受けることを懸念していたと把握されています。
統一教会の資金を海外に持ち出す過程で問題が発生したと見られます。
ユン前本部長が管理していた世界本部からも、数十億ウォン規模の資金が流出したと伝えられていますが、最終的には本格的な捜査にはつながらなかったようです。
【アンカー】
もう一つ重要なのは、この録音が2022年、統一教会側がキム・ゴンヒ夫人にネックレスを贈ろうとしていた時期に行われたということですね?
【イ・ジャヨン記者】
その通りです。ユン・ソギョル前大統領の任期初期のことですね。
これまでの報道を整理すると、まず2022年3月22日、ユン前本部長は当時当選者の身分だったユン前大統領と1時間の単独面談をしたと主張しています。
ご指摘の6,000万ウォン相当のネックレスやシャネルバッグを、コンジン法師を通じてキム・ゴンヒ夫人に贈ろうとしたのはその後のことです。
検察はこの贈り物が4月から8月の間に渡されたと見ています。
そして9月からは、捜査リスクに備えて警察・検察へのロビー活動まで準備していたということです。
コンジン法師との関係はこの期間中も継続していたようです。
その年の12月27日には、実際にコンジン法師を通じてユン・ハンホン国民の力(与党)議員と会食していたことを検察が把握しています。
【アンカー】
今お伝えした内容について、検察も捜査を進めているのですよね?
【イ・ジャヨン記者】
はい、その通りです。検察はこの録音を確保し、当時の会話に登場した統一教会の関係者を呼んで事情を聴取しています。
結局、今回の「コンジン法師ゲート」の捜査は、統一教会によるキム・ゴンヒ夫人へのネックレス贈与ロビー、さらには警察・検察へのロビー疑惑にまで拡大する可能性があります。
今後もこの問題について、継続的に取材・報道していく予定です。
https://youtu.be/REN6WmR8BqE?si=2irfj2xI_odrL-7L
韓国 YTN News
[単独]統一教会総裁も「請託疑惑事業」に言及…その意味は?
2025年5月8日 午前3時21分
記者:ヤン・ドンフン
【アンカー】
元統一教会の高位幹部ユン某氏が、カンボジア事業の請託などを目的に「コンジン法師」チョン・ソンベ氏に「キム夫人への贈り物用」としてネックレスなどを渡したという疑惑に関連し、検察の捜査が進行中です。
YTNは、ハン・ハクチャ総裁がユン氏が強調していた事業について言及しているとみられる録音を入手しました。
ただし統一教会側は、この事業に対する政府支援を求めたのはユン氏個人の逸脱行為だという立場です。
ヤン・ドンフン記者の報道です。
【記者】
ソウル南部地検は、統一教会の元高位幹部ユン某氏が「コンジン法師」チョン・ソンベ氏に「キム夫人への贈り物」としてダイヤモンドのネックレス、高級ブランドのバッグ、天寿参濃縮茶などを渡したとされる状況を把握し、捜査を進めています。
検察がユン前大統領の自宅を家宅捜索した際に提示した令状には、請託目的の一つとして「カンボジア・メコン川敷地事業」が記載されていました。
ユン氏は「アジア太平洋ユニオン本部」をメコン川周辺に設置する事業を主導していたとされ、当選人時代のユン前大統領と単独面談したと主張しています。
【ユン某氏/当時の統一教会世界本部長(2022年5月)】
「私は3月22日に大統領とお会いしました。1時間、単独面談しました。」
その後、企画財政部が発表した韓・カンボジアODA(政府開発援助)の支援限度は2倍以上に増え、
2023年5月には、ユン氏がメコン川プロジェクトの本格的な建設の始動を「大航海が始まった」と表現し、国家単位のODAプロジェクトとして進める予定だと紹介しました。
そして約2か月後の2023年7月、「2023カンボジア国際指導者会議」で、ハン・ハクチャ総裁は次のように発言しました。
【ハン・ハクチャ/統一教会総裁(2023年7月)】
「(2019年に)アジア太平洋文明圏時代の創設について話しました。カンボジアのフン・セン首相の積極的な協力で創設されました。」
イベント主催側が提供した英語字幕では、「アジア太平洋ユニオンを創設した」とより明確に記されており、ユン氏が言及してきた事業と同一のものとみられます。
しかし統一教会側は、この事業をODAを通じて進めようとしたのはユン氏個人の構想に過ぎず、教団とは関係ないという立場です。
また、ハン総裁の発言も宗教的な構想に言及したものであり、教団としてTF(タスクフォース)を組織したり、組織委員会を立ち上げたりといった動きはなかったと主張しました。
そのうえで、ユン氏に問題があったため教団から追放した状態だと述べました。
ところが今年2月、ユン氏は自らが提起した名誉毀損関連の裁判で、中央集権的な統一教会において、自分はハン総裁の息子のような存在だったと主張しました。
体力の限界を感じて一時教団を離れ、ハン総裁から「健康を回復して戻ってこい」と激励まで受けたと話しています。
ユン氏は検察の取り調べでも、「すべての事はハン総裁の決裁を受けて行った」という趣旨の供述をしたとされています。
検察は、ユン氏がチョン氏に「キム夫人への贈り物」として渡した物品の資金源を確認しているとされており、
請託の試みがユン氏個人の逸脱行為だったのか、それとも統一教会として組織的に行われたのかは、捜査を通じて明らかになる見通しです。
YTN ヤン・ドンフンでした。